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自立支援法と悪戦苦闘の日々/佐野武和

はじめに

国の「相談支援指導者研修」に県の推薦を受け、東京まで行ってきた。

悪名高き東横イン歌舞伎町に三連泊、連夜知人と酒を飲み交わした。いや、昼間はまじめな研修受講者であったはずだ。知的と精神枠合わせて滋賀からは三人。

矛盾かかえつつ制度にかかわる

おおよそ私の役割とかけ離れた、介護保険と自立支援法統合の下準備であり、「わずかな単価に群がる指定相談事業者を育成する」といった避けなければならない課題を背負うことになった。この間、何度も県の「自立支援法」制度説明会の会場で吠えるように制度設計の不備を叫び、「現実的になしえない仕組みを強制される当事者は何をいえばいいのか」と孤立を覚悟で指摘し続けていたところであった。

県の関係者の某氏の説得を受け、「おそらくはかなわぬ血の通う制度改革へ、説得力を持つ位置を確保できたら」、とあえて引き受けはしたが、重たい気持ちが今ものしかかる。おまけに地域の社会福法人に割り当てられた認定審査会の席にも招集され、地域合議体審査員の一人として、まさに自立支援法の片棒を担ぐ羽目になってしまった。

現実知らぬ専門家たちと格闘

先日その委嘱式があった。なんと合議体二〇人中八人が医者、四人が保健師で医療色が強く、困ったもんだ。区分認定と新介護給付体系のつながりも基本認識に立てない専門家と対峙することになる。

すくなくとも「障害程度区分とサービスの支給量決定はリンクさせるな」と発言したが、一部の医者から「じゃあ、なぜ区分認定するのだ」と反発される始末だ。責任ある審査を担保するため、今からでも合議体の人数を増やせという医療系に対し、多くの時間とエネルギーを丁寧、正確、さらに当事者性に立った認定調査を望むべきと反論したが、「あれぇ、俺はどこに立っている」と混乱し、「何やってんだか?」と一人つぶやいた。

沖縄へのあこがれつのる

話は大きく変わるが、今回の上京のついでに「野本三吉沖縄のシマを語る」という講演会をのぞいた。古い知人に会えたし、三〇年近く前「不可視のコミューン」という本に感動したことがあって、現在は沖縄大学の教授となった野本氏の不思議な話に少し感動した。ついワクワク状況で講演打ち上げで野本氏たちと飲み歩いた。参加者の多くが「いずれ沖縄に住みたい」と語るのには一瞬引いたが、おいらの中にもふつふつと沖縄移住の気持ちが泡立つのを感じた。

(2006/09/08)



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