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精神障がい者のヘルパー利用??/轟広志

ヘルパー利用で快適になった生活

もう何年になるかな? 精神障がい者にもヘルパー利用の制度が出来てすぐに利用させて頂いてます。でも自立支援法で利用制限がかかるかも知れません。僕は障がい者のみならず、人は、住みか(自宅)での時間がとても大切だと思っているので、以前の「男ヤモメに何とやら」みたいな住まいにストレスを感じていました。引きこもりをしてた時には、それどころではなかったのですが、なんとか仕事をしてた時には、数年に一度は大掃除をしてました。でも、この何年間の定期的なヘルパー訪問のおかげで、衣食を含めて自宅での生活は快適に変わってきています。

よくヘルパー講習会等で「一体なにをしたらいいのですか?」といった質問を受けます。障がいが目には見えにくいために、従来の介護的な仕事の感覚では疑問に感じられても当然でしょう。僕はいつも「言われた事を出来る範囲でやってもらうのがいいです」と答えていますが、これは精神障がいといっても人によって様々ですし、また過去の隔離・収容といった事実が地域の障がい者に「出来る事と出来ない事の判断を、しにくい癖」をつけてしまったからだと思っています。

重要なのは、同じ空間を共有すること

「あれも、これも」と言える僕みたいなタイプなら分かりやすいでしょうが、自宅にヘルパーさんが来る事だけで疲れてしまう方もおられるのです。しかし一人で生活されている方の所にお世話してもらえる他人が入る事はとても重要だと思います。その始まりは「何をしてあげるか」ではなく「同じ空間を共有できるか」という感じです。人によって差はありますが、本心から「一人きりがいい」なんて思っている人はいません。作業所や支援センター、また病院のデイケア等で色々な人と様々な形で交流し、さらに定期的に自宅での交流の時間を担うのがヘルパーさんだと思います。

だから「何を?」の疑問の前に、「どんな人ですか? 私はこんなヘルパーです」といった、ごく自然な対面と会話が必要だと思います。心の傷をもつ人にとって会話・共感等がどれ程に治療になるかは、言うまでもないでしょう。

ピアヘルパーについて少し書くと、自分も障がいを持つ身だから分かり合える、と考えてピアヘルパーの仕事を選ぶのはあまり賛成できません。季節や天候に関わらず時間どおりに移動し、利用者の住まいを快適にする仕事に、障がいはやはりハンディになると思います。ご自分の障がいを理解し、自立心とゆとりを持って仕事に臨まれるのが大事と考えます。

(2006/09/29)



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