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リレーエッセイ「やり続ける意味」〜 轟広志

試行錯誤のフリーマーケット

改めて書かせてもらうが、私は精神障がい二級。大阪府八尾市にある「地域活動支援センターちのくらぶ」会員で、隣の柏原市とも連携している「精神障がい者福祉を考える市民の会・きゃらふるやおかし」の障がい当事者運営委員でもある。と言っても大したことをしているつもりはない。しかし、私が発病した二昔まえにくらべると、こんな肩書がどうのと言う以前に、障がい当事者がやれる事はずいぶんと多くなったと思う。このリレーエッセイも、もう何年のお付き合いになるか…。

秋から冬はイベントシーズンである。二年連続雨天のために中止になった「きゃらふる」主催のフリーマーケットが一〇月一三日に開催できた。私はフリマには音楽!と会場のすみに舞台を設け、弾き語りやバンド演奏、手品などのボランティアさんにご活躍いただいてきたが、今回は準備や近隣住宅への配慮もあり、舞台は無し。器材を最小限にして、私のDJ?に乗せてBGMを流すことにした。これなら私一人できりまわせるし、何よりDJの真似事などは非常に趣味的な気楽さがある。当日は、自前のテープと会員から借りたCDの中から選曲し、合間に本部からの案内や誘導、また出展ブースからの告知や宣伝をはさみ、一日かぎりのコミュニティラジオ番組をイメージしてやらせてもらった。結果、八尾市長の突然のゲスト出演もあり番組的?には成功したと思っている。だが、障がい者である事には違いない。気楽にやったつもりだが、翌日は自宅のベッドから出られなかった。

出会いと再会つむぎあわせて

さて、そんな私が所属する「きゃらふる」も〇七年度で一〇周年を迎えた。年度末にあたる〇八年三月に大きなイベントを企画している。今回は、五年前に「きゃらふる」と出会ったシンガーソングライターEPOとの再会がテーマ。

と、言うのも五年前のEPOとの出会いは、今回の為の準備だった。彼女の唄しか知らなかった私たちには、彼女の心の痛みや家族への想いなどが気になって仕方なかった。ある曲で「私はあなたが逝くときに、涙を流すかわからない。それほど深く傷ついている…」と唄っている。彼女の家族関係、心的外傷、そんな話ができればと出会いの場を企画した。彼女はとても協力的に我々の企画に応じてくれたが、彼女自身の問題を自ら口にすることはなかった。

しかし、あれから五年。彼女は自分自身と向き合い、深く心の点検作業をはじめ、現在は歌手としてだけでなく、心理療法士としても活躍している。関西でのライブ等にお邪魔すると、必ず「きゃらふる」との出会いを舞台で話す。

さあ、準備は整った、〇八年三月七日金曜日。八尾市プリズム小ホールにて開演午後六時予定。入場料無料。本当のEPOと「きゃらふる」の違いも障がいも超えた心と音楽でのコラボレーションを体感していただけると思う。

なにがどうなるのか?まるでわからない。出会いがあり、再会を果たす。続けた意味は、最後にわかるのかも知れない。

(2008/01/05)



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