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ツバメ(スズメ目 ツバメ科)
全長約17p、夏鳥。つやのある黒と白色をしている。赤茶色ののど、長い尾羽が特徴。餌は飛行する昆虫類。巣はお椀型。

吹田の生き物と人B-吹田のツバメ 高畠耕一郎

数千年にわたり人間と共生

毎年、春になると吹田でも多くのツバメが巣作りを始め、子育てをします。今年は4月10日に吹田で初めてツバメが飛んでいるのを見かけました。

そのツバメの巣での子育てを、吹田では見かけることが少なくなってきました。吹田市にはどこに、どのくらいのツバメの巣があるのでしょうか。

学校関係者や市民の環境団体(吹田自然観察会・すいた市民環境会議・吹田野鳥の会)は、3回にわたってツバメの巣調査を行い、マップや報告書を作成しました。

94年には小学校9校・中学校6校の生徒達(参加生徒数1928名)が、157のツバメの巣を発見。97年の調査では、251のツバメの巣と7つのコシアカツバメの巣が見つかっています。この調査は、上記団体が実施し、幼稚園6園、小学校16校、中学校6校の園児・生徒達(生徒総数3692名)が参加しました。

また、98年は「すいた市民環境会議」が独自に調査を実施し、448のツバメの巣と14のコシアカツバメの巣を見つけています。

ツバメの巣は、多いところと少ないところがはっきりしています。巣が多くある地区は、@人通りが多い、A巣作りの材料である泥やわら、そして餌になる小さな昆虫が生息している田畑や草地が近くにある、B巣作りの足場であるザラザラしたコンクリートや木造の場所が多くあるところでした。店先や駅でも、人通りが多く、人目に立つ場所に多くあります。

ツバメはどうして、わざわざ人目の近くに巣を作るのでしょうか。ツバメより生息数の多いスズメの子育てを目撃した人はあまりいないでしょう。

ツバメと日本人は昔から良好な関係にあったのです。ツバメの餌は田畑にいる小さな昆虫です。ツバメは米を食べるスズメと違って、農家の人にとっては害虫を退治してくれる益鳥なのです。ツバメにとっては、人間の近くに巣を作ることによって、卵やヒナを狙うヘビやイタチ、カラスなどを遠ざけることができます。お互いにメリットがあるのです。こんな良い関係が何千年と続いてきたのです。

ところで、ツバメは年2回程度子育てを行います。子育て中の親鳥は、巣の近くで寝泊りをしていますが、他の時期にはどこで眠っているのでしょうか。

貴重な渡り鳥のねぐら

淀川の豊里大橋付近の川原にアシ原が広がっていますが、夏になると多くのツバメがねぐら(共同で寝る場所)にするために集まってきます。吹田のツバメもここに来ている可能性があります。多い時で、約1万羽のツバメが日没寸前に集まってきて、アシ原に入ります。私もねぐら入りするツバメの調査に参加したことがあります。早朝、日の出直前に一斉に飛び立つ姿も観察しています。上空を乱舞する姿はすごい光景でしたが、ほんの数分のできごとです。このようなねぐらは大阪府下で、いくつか確認されています。

9月に入るとツバメは、次々と南の国へ帰って行きます。

【自然観察会のお知らせ】

7月26日(土)夕6:30〜夜8:30

阪急「南千里」駅改札口付近 集合

テーマ:セミの感動的な羽化を観察しよう

内容:千里南公園では、アブラゼミやクマゼミなどの羽化を目の高さで観察することができます。夜のことですので、子どもだけでの参加はできません。

(2008/06/10)



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