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吹田の生き物と人P-吹田のメダカ -高畠耕一郎

メダカはなぜ少なくなったのか?

私が子どもの頃(1960年頃)は、ため池や田んぼ、小川に当たり前のようにクロメダカがいました。しかし今は、ほとんど見かけません。どこにでもいたクロメダカが、知らぬ間に、日本中から消えたのです。環境省レッドデータブックで絶滅危惧U類(絶滅の危険が増大している種)に2006年より指定されています。

メダカはペットショップでも売られていますが、ほとんどヒメダカです。ヒメダカは黄色の養殖メダカで、自然の池や小川にいる野生のをクロメダカと呼んで養殖用と区別しています。

代わりに、黒メダカに似ている外来種のカダヤシが増えています。黒メダカとカダヤシの見分け方は、尻びれの形です。メダカは、横長長方形の尻びれがついています。小学校では、今でも5年生になると理科で、メダカの学習単元があり、魚の基本的なつくりである尾びれ・腹びれ・胸びれ・背びれや魚の産卵などを学習します。

メダカは強い魚です。小さな池で夏場にかなり水温が上がっても生きていますし、家の水槽でも、とても飼いやすい魚です。それなのに、なぜ絶滅危惧種になるまで少なくなってしまったのでしょうか。

大きな原因は、メダカが棲んでいた田んぼやため池の環境が変わってしまったことだと言われています。昔の田んぼは、あぜを流れる水が自由に行き来していたのでメダカも自由だったのです。田んぼへ流れてくる水は小川からコンクリートの水路になり、田んぼの水面と高低差ができ、必要な時にしか田んぼに水が入らなくなりました。メダカは、田んぼと小川を行き来して繁殖するのですが、完全に切り離されてしまうと乾田の時やコンクリートの水路で水がなくなったときは生きていけなくなったのです。

また、黒メダカは、水草に卵を産み付けますが、コンクリート張りの水路では、水草も生えません。さらに農薬が追い打ちをかけました。また、外来種のカダヤシが増えてきて、小さいメダカは負けていったのです。カダヤシは、卵胎生と言って、卵をお腹の中で育て子どもの状態で産むので、水草がなくても繁殖ができますからメダカより有利だったのです。

(2009/08/10)

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