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「民主圧勝」の衝撃とメディアの報道 -石塚直人

大差の理由

308対119。衆院選で民主、自民両党が得た議席数は、「衝撃」そのものだった。2009年8月30日は、この国の政治史に長く刻まれるだろう。

前号でも書いた通り、民主の勝利そのものは早くから予想されていた。しかし、これだけの大差を投票日の1か月前に読み切っていた人は少なかったはずだ。新聞各紙が世論調査をもとに「民主圧勝」「300議席も」と筆を揃えたのを見て驚いた、と山口二郎・北大教授も「週刊金曜日」(8月26日号)で書いていた。

大差の理由は、すでに述べ尽くされた感がある。昨年秋以来の世界不況で新自由主義のまやかしと自公政権の無能が誰の目にも明らかとなった上、「小泉改革」で自民の集票マシンが弱体化した。一方で民主は、「選挙の神様」小沢代表代行が田中角栄直伝の巧みな采配を振るった。メディアは民主のマニフェストを「財源が不明確」と批判したが、地殻変動の大波は最後まで止まらなかった。

午後8時の投票終了と同時に、NHKと民放各局は「民主圧勝」を流した。新聞・通信各社のネットを使った報道でも、朝日は8時8分段階で「野党が過半数の287議席を確保」と踏み込み、兵庫8区の田中康夫当確も報じた。根拠となる出口調査には各社とも力を入れており、精度はかなり高い。TBSが福田元首相を落選と報じるミスを犯したものの、全体としては調査通りの結果になった。

(2009/10/12)

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