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「政治と金」騒動の裏側で議論されなかったこと -石塚直人

あり得ないリークをやってきた検察

政治資金規正法違反で東京地検特捜部の捜査対象となっていた民主党の小沢幹事長が、不起訴と決まった(2月4日)。

小沢氏の資金管理団体「陸山会」に対する本格的な捜査が始まって以来、報道合戦は熾烈を極めた。偽装献金のほか自分の知らぬ間に実母から9億円を受け取っていたという鳩山首相に続く、政権党トップの「政治とカネ」スキャンダル。読者の間にもさまざまの論議を呼び起こした。

「新聞は検察のリークを垂れ流すばかり」はその代表だろう。捜査が大詰めを迎えた頃、各紙は相次いで「検察以外にも多くの関係者に取材し、裏付けの取れたものを報道している」などとする異例の反論を掲載した。

事件記者にとって、深夜に何時間も待ったあげく、帰宅した相手に無言でバタンと扉を閉められるのは日常茶飯事。検察はとくに情報管理が厳しく、検事の自宅に出向いたと上司に判れば出入り禁止になるのが普通だ。神経をすり減らし、足を棒にしての取材を「垂れ流し」とはちょっと、と思わなくもない。

ただ、問題は記者側の感覚とは別に、検察が「あり得ない」はずのリークを過去に何度もやってきた点にある。リークには正しい情報もあり得るが、多くは政治的な思惑などから意図的にウソを報道させ既成事実を作ってしまうもので、当事者の証言も枚挙にいとまがない。最終的に無罪が確定しても、被疑者とされた側の人生は台無しになる。

(2010/03/20)

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