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朝鮮学校の無償化とメディアの論調 -石塚直人

子どもの学ぶ権利に平等な扱いを

鳩山政権の目玉政策の1つ「高校授業料の実質無償化」を巡り、朝鮮学校が例外扱いとなる可能性が高まっている(3月14日現在)。大阪府の橋下知事は「国の動向と関係なく、独自に判断する」とし、大阪朝鮮高級学校を訪れて教育内容の見直しを迫った。平等であるべき「子どもの学ぶ権利」に政治的な差別を持ち込む点で、これらは無償化の理念を裏切るものだ。メディアの論調も、はっきり2つに分かれた。

国レベルの動きは、中井・国家公安委員長(拉致問題担当相)が「北朝鮮への経済制裁を進めている中、同国と関係の深い学校は除外すべきだ」と述べたのが発端。鳩山首相の発言も、例によって揺れ動いた。

朝日は2月下旬以降、2度にわたり社説でこの問題を取り上げ、「拉致問題と関係のない子どもに制裁を加えるのは不当」とした上で、日本で暮らすコリアンが植民地支配と祖国の分断という歴史を背負わされた存在であることに触れ、次のように述べた。

「差別に囲まれ本名すら名乗りづらい日本社会の中で(中略)朝鮮学校が、在日朝鮮人社会のひとつのよりどころになってきた。現在は、朝鮮学校生の半数程度が韓国籍だ。父母の姿勢も北朝鮮の支持者から反発する人まで様々である。それでも、民族の文化や言葉を大事にしたいという気持ちは共通している」

実際には韓国籍はおろか、保護者が帰化して日本人、という生徒もいるという。毎日も3月11日「この生徒たちは日本に生まれ育った社会の構成員であり、将来もそうだ」と書き、他の学校との平等な扱いを求めた。

(2010/04/10)

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