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▲キイロスズメバチ

▲キイロスズメバチの巣

吹田の生き物と人26-キイロスズメバチ -高畠耕一郎

ハチの苦い思い出

ハチについては、苦い経験が幾つかあります。

枚方市の穂谷という里山が残っている場所で自然観察会に参加していた時のことです。祖母と参加していた小学1年生の男の子が、拾った棒を持ちながら歩いていました。山道に入った時、捨てられていた小型のオートバイをその棒でたたいて金属音がした瞬間に、その子どもは突然、悲鳴を上げて逃げ回り、地面に頭を伏せて叫んでいたのです。付添いの祖母はもちろん、私たちも何が起こったのか一瞬理解できませんでしたが、近くにいた人が「ハチや!」と言ったので私も含めた指導者が、うずくまっている子どもを抱えて現場から少し離れた場所へ連れて行きました。

アシナガバチの一種で、どうやらタンクの中に巣をつくっていたものを子どもが知らずにたたいてしまったので、攻撃してきたのです。子どもは大事には至りませんでしたが、その観察会は急遽中止とし、子どもを病院に連れて行きました。10年前のことです。

もう一つは、山田中学校に勤務していたころの話です。校庭の裏庭の植木にキイロスズメバチが大きな巣をつくっていました。教頭先生が、校内放送で危険だから近づかないようにとアナウンスすると、中学1年生のやんちゃな子どもたちが怖いもの見たさに近づき、巣に石を投げたりし始めたのです。私は急いで現場に行き、ハチを刺激してはいけないと生徒に注意しました。

学校は市役所に電話をし、専門家による巣の駆除を申し入れました。翌日、市の職員と業者が来て、クスリを散布してハチを殺しながら、更に袋をかぶせて薬で全滅させました。私はその時、その行為がすごく残酷に思えてなりませんでした。

市の担当の方に聞くと、市民からハチの巣の駆除要請がよくあり、その都度出動しているとの話でした。キイロスズメバチが吹田市に増えていることにも驚きました。

(2010/05/27)

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