ぷくぷくの会ホームページ

▲〈オオタカ〉写真提供…有賀 憲介氏、撮影場所…万博公園

吹田の生き物と人34-オオタカ -高畠耕一郎

子育てが話題になってしまうオオタカ

去年の秋に、万博でオオタカに関するシンポジウムが行われました。3羽のオオタカの雛が生まれ、餌不足やカラスなどに脅かされながらも、1羽だけが無事に育ち、巣立ったことがビデオにより報告されました。吹田野鳥の会メンバーの地道な観察によるものでした。

このことは、「オオタカが万博で2年連続で子育てをしている」と、新聞・テレビでも大きく紹介されました。

野鳥が子育てをしているだけで大きなニュースになるのには、わけがあります。

オオタカは肉食で強い動物です。このような鳥であるワシやフクロウなどを猛禽類と言います。餌は小さな野鳥やウサギ、ネズミ、ヘビなどの小動物です。そのため、自然界の生き物の食物連鎖では、頂点に立つ生き物です。

万博公園の豊かな自然

1羽のオオタカが育つためには、多くの小動物が餌になります。しかし、その小動物たちも、それよりも小さい小動物や昆虫や植物を食べて生きています。そのため、1羽のオオタカが成鳥になるまでには、かなりの小動物やそれらを支える植物が必要になります。里山のような多様な生き物が多く生息する豊かな自然の中でないと、オオタカは育たないのです。

万博公園の森は、それほど自然豊かな場所なのです。万博公園は1970年に世界博覧会の会場になり、コンクリートなどの人工物で覆われていました。

しかし、万博閉幕後は、できるだけ元の自然に戻そうと、大規模な植樹が行われました。40年後の今、オオタカが子育てもできる環境になったということです。いろんな生き物がたくさん棲む、自然豊かな場所になった証拠なのです。それで、大きなニュースになったのです。

(2011/01/31)

WEBは抜粋版です。すべて読みたい方は購読案内をご覧ください。



1999 pukupuku corp. All rights reserved.