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特集:障がい者就労支援企業 厨房 美うの

働いて地域で生きたい

吹田市山田西―千里ニュータウン住宅街の真ん中に「厨房・美うの」のセントラルキッチンがあります。高齢者施設や個人に安心・安全で、栄養バランスのとれた食事・食材を配達しています。同社は、社会参画活動の一環として、知的・精神障がい者の就労実習の受け入れを実施しており、実習終了後、そのまま雇われた人もいます。5月日、あいにくの雨でしたが、セントラルキッチンを訪れ、社長の粟井義治さんに話をお聞きしました。

クックチル調理システム

高齢者配食事業を始めたのは、2006年です。元々居酒屋をやっていたのですが、高齢者マンションの厨房を任されることになり、高齢者が増加していくことは間違いないこともあって、この分野で頑張ってみようと思いました。現在、7名の職員と1名の実習生が働いています。

1日約700食分の食材を調理・提供していますが、セントラルキッチンでは、クックチル調理システムを導入しています。85℃で1分以上加熱調理した食材を、60分以内に3℃まで急速冷却し、真空パックします。この調理システムは、菌の繁殖が抑えられた状態で真空パックするので、安全な食材を広域に配食することができます。

それと、我が社は小規模でやっていますから、手作りで個々の細かな要望にもお応えすることができます。

実習生には、主に真空パック詰め作業と後片づけなどの衛生管理の仕事をしてもらいます。職員の中には、10ヵ月間の実習の後、パートですが、1日5時間、週3〜4日働いてもらうようになった方もいます。彼の就労実習については、「実習をする中で自信ができ、就労に堪えるだけのスキルも身についた」と、評価して頂きました。

現実習生も、のぞみ共同作業所(吹田市泉町)さんからの紹介です。1日4時間、週2回来てもらっています。

当初は、手順を示す写真を掲示したり、食材や調理器具の場所を示す札を作ったりしましたが、すぐに慣れて必要なくなりました。障がいは個人によって違いますし、その人の特性もあるので、いっしょに作業をして、徐々に環境を整えることが重要だと思います。

多面的なつながりを

障がい者と一緒に働くきっかけになったのは、友人のアドバイスでした。同級生であるその友人は、障がい者施設で無農薬野菜を使ったお弁当を作り、企業などに配食するサービスを展開していました。知的障がいや精神障がいをもつ人が、盛りつけや配達の仕事をしているとのことでした。

友人と話すうちに、パック詰めや衛生管理の仕事は、障がい者に向く仕事だと教えられました。のぞみ共同作業所は、その友人に紹介してもらいましたが、その他にも、実習受け入れ先を探している施設がたくさんあることも知りました。

実習生は、真空パック作業が主な作業になりますが、弊社は、営利企業ですので、売上げと仕事量が拡大しないことには、実習生を受け入れるにも限界があります。障がい者雇用も増やしていきたいので、そのためにも売上げを伸ばす必要があります。

吹田市では、高齢者向けの行政配食サービスについては、障がい者施設やNPOが運営する場合、補助金も出ます。そうした事業所が、献立づくり、材料の仕入れから全部やるとなるとたいへんですから、管理栄養士もいる弊社が提供する調理食材を使って頂ければ、手間もコストも省けます。

障がい者施設が配食サービスを行う場合など、「美うの」の食材を使ってもらって、高齢者に配達していけば、高齢者も嬉しいし、障がい者の仕事づくりにもなるし、弊社の売上げも上がるという「お互い様」の、いい関係が生まれるのではないかと思っています。

例えばぷくぷくショップで販売している食材を美うので調理し、それを食べて頂けるなら、無駄もなく皆がハッピーになれます。

現在は、高齢者施設への配食サービスが多いのですが、将来的には、在宅高齢者への配食サービスをはじめ、ディサービス・グループホーム・高齢者マンション・有料老人ホームの調理サービスも手がけたいと思っています。

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