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まねき猫通信183ひきめ(2017年10月7日発行)WEB版

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トリの眼・ムシの目・ニャンコの目(巻頭コラム)

 1979年『そよ風のように街に出よう』が創刊されて今年7月に終刊するまで、編集長の任にあった河野秀忠さんが、9月8日に逝ってしまった。雑誌も己の命も、自分で最期を悟り、75歳の誕生日を半月後に控えて自ら幕引きをしたかのような、いや、敢えて「幕引きをしでかした」かのような死に様だ

自著『障害者市民ものがたり』の副題「もう一つの現代史」こそ、河野さんの思想であり生き様だった。「皮肉なことに、70年代に突入する中で、労働運動や政治運動の対抗軸が不明瞭になるのだが、それに比例するが如く…(中略)〈施設要求型・福祉がすすんでいないから施設がない〉とする運動との対抗軸が鮮明になってくる。つまりそれは、障害者自身の権利と要求が少しずつ明瞭になっていくプロセスそのものだ」(P・31)と回想する時、河野さんは『障害者市民』という実態と概念の構築を語っていたのだ

バスに乗ることすら「闘い」であった時代に「そよ風のように街に出よう」と呼び掛けた。それはやがて『[ゆっくり]の反乱』(1999年刊)という行動綱領へと結実する。河野さんが「障がい者」ではなく「障害者」表記に拘ったのも「市民」に繋がる独自のアソシエーションを思い描いていたからだった…合掌。(パギ)

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