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まねき猫通信51ぴきめ(2006年9月1日発行)

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トリの眼・ムシの目・ニャンコの目 (巻頭コラム)

九月一日は全国的に「防災の日」である。一九二三(大正十二)年のこの日に起きた関東大震災の教訓を忘れない、という意味と、この時期に多い台風への心構えの意味も含めて一九六〇(昭和三五)年に制定された。関東大震災で六千人余の在日朝鮮人が「自警団」と称する日本人に虐殺された史実は、あまり語られない。いや「防災」の言葉の裏に意図的に隠されているといっても過言ではない。

「十五円五十銭」と言わせて、濁音の発音がおかしいと「お前は朝鮮人だろ!」と識別した。劇作家の故・千田是也は東北出身者で、千駄ヶ谷で朝鮮人に間違えられて殺されかけた。その体験と抗議をペンネームに込めた。共産党の指導者だった山田六左右衛門も同様の経験を持つ。その後、山田は大阪で朝鮮人労働者の組合作りに着手した。

震災当時、横浜鶴見の警察署長だった大川常吉は、自宅に逃げ込んできた三百人の朝鮮人をかばい、引き渡しを求める暴徒(自警団)にこう言った。「朝鮮人が井戸に毒を入れたというならその水を持ってこい。私が飲んで死んだら中にいる朝鮮人を好きにしろ。死ななかったら手を出すな。人の命を守るのが私の仕事だ。」常吉は死なず、三百人の命は守られた。 (文中敬称略)(P)

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