ぷくぷくニュース2011年11月1日
これでいいの!?吹田の事業見直し・・・
市長の「財政非常事態宣言」により始まった「行政の維新プロジェクト」。その主要取組のひとつである「事業見直し」は、吹田市が独自に実施してきた事業を「廃止・縮小」を基本に見直すというものです。市の一部幹部と外部アドバイザーが委員となった「事業見直し会議」では、議題とされた33事業について、すべて「廃 止」「縮小」という結論が出され、障害者施策5事業も「廃止」「縮小」とされました。今後、これらの結論を受けて、吹田市の政策会議で市の方針が決定されようとしています。
吹田市の障がい者施策は、障がいのある人や家族のくらしの実態やニーズに応じて創設されてきました。十分な議論や検証もされないままに、一部の人たちだけで見直し(廃止・縮小)を行っていいのでしょうか?
福祉バス貸付事業
2010年度実績では、5団体(12台)が利用し、障がい者団体の社会見学・施設見学や研修会、リクリエーションなどに使われています。
福祉年金支給事業
障がいのある人の多くは、障害基礎年金(1級;986,100円・月額82,175円 2級;788,900円・月額65,741円)などのわずかな収入により生計を営んでいます。福祉年金は、わずかな金額であっても、削減による影響は、障がいのある人にとっては大きなものとなります。
特定疾患者給付金支給事業
病気のために就労が困難な人も多い中で、通院のための経費なども大きな負担となります。きぼう号の廃止や重度障害者福祉タクシー料金助成事業の縮小など、他の事業の廃止・縮小も影響してきます。
重度障害者福祉タクシー料金助成事業
障害のために公共交通機関の利用が困難な人たちの移動手段として利用されているタクシー料金の一部を助成しています(年間48枚のタクシー初乗料金チケットを交付)。その利用の多くは通院やリハビリです。もし削減されると、通院やリハビリに行くための負担も増加します。
日中活動重度障害者支援事業
作業所などの日中活動を希望する障害のある人を在宅にしないために吹田市が独自に実施してきた事業です。障害者自立支援法などの影響により、現在でも作業所は報酬の日額払いで運営が厳しい状況の中で、事業の縮小は作業所等の職員の削減につながり、結果的に障害のある人の行き場を奪うことにもなりかねません。
これらの事業見直しは、実施計画・予算編成の中で行われる??
今、障がい者施策は新たな方向へ‥
2006年12月、国連は「障がいのある人の権利条約」を採択しました。
同条約は、すべての障がいのある人の人権や自由、平等を実質的に保障し、これまで「保護の対象」とされてきた障害のある人を「権利の主体」へと転換し、インクルーシブな共生社会を創造することを目標としています。
日本では、条約の批准を目標に、その第一歩として障害者基本法が改正されました。その内容については、不十分さを残しているものの、障がいの定義の見直しや権利擁護の強化などの前進面も含まれています。
また、障害者自立支援法を廃止した後の新法についても、障がい者制度改革推進会議・総合福祉部会の提言を受け、来年の通常国会への提案に向け、法案づくりが進められようとしています。
今般の障害者制度改革は、これまで放置されてきた障害のある人の権利や自由・平等を実質的に保障することを目標に、当事者も含めて様々な議論や検討が進められているものであり、自治体の積極的な役割がますます大きく問われることになります。
財政問題を中心に、吹田市独自の障がい者施策をすべて見直そうとする「行政の維新プロジェクト〜事業見直し」は、障がいのある人の権利と自由・平等の保障を目指そうとする流れに逆行するものではないでしょうか?。